パチンコ業界の衰退が止まらない理由
かつては30兆円産業と言われていたパチンコ業界ですが、年々市場規模は小さくなってきています。大きく衰退した理由として、まず度重なる規制が一つに挙げられます。例えば射幸性の強い遊技台は客の興味をひく事が出来ますが、製造メーカーや店側が最大出玉や大当たりの確率を自由に調整できる訳ではありません。法律や行政指導のもと射幸性を抑える方向へシフトした結果、大きく負けることは無くなりましたが、大きく勝つ事も無くなりました。そもそもパチンコに通う客はギャンブルを期待している訳ですから、大きな勝ち負けが無くなった遊技台では楽しさも半減するのかもしれません。
また娯楽の多様化もパチンコ人気を衰退させた要因です。世の中にはパチンコで生計を立てているプロもいますが、暇つぶしやちょっとしたドキドキ感を味わいたくてパチンコに興じる人が大半です。パチンコ人気がピークだった頃は、暇つぶしやスリルを味わえる遊びがパチンコ以外に無かったのですが、時代ととも手軽に遊べる娯楽がたくさん出てきました。つまり余程ヘビーなパチンコファンでない限り、わざわざリスクのあるパチンコで遊ぶ必要が無くなったという訳です。
とは言え、パチンコが余暇市場1位である事は間違いありません。ピーク時に比べると規模は小さくなっていますが、余暇産業の30％以上を占めています。パチンコ参加人口が減少傾向にある点は真摯に受け止め、事業者はピンチを脱却する方法を考えていく必要があります。例えばパチンコ台はアニメや芸能人とコラボしたり、どんどん洗練された機械になっていますが、チープで独特の世界観が味わえるオリジナル台を懐かしむ声も少なくありません。他に差をつけるという意味では、パチンコ台の盤面や音、演出などにこだわってみるのも一つの方法です。また規制の厳しい国内にとどまらず、海外市場を狙うとまた新しい道が開けるかもしれません。
